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星 寿美

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第246回 社員からクレームを受けた『社長が見落としがち』なこと

2026/02/09

ある経営者の方から相談されて、実際に関係が改善し、解決した事例をお話しします。
社員10名、パートを入れて25名ほどの会社。
社長と社員の距離も近く、良くも悪くも「声がダイレクトに届く」組織です。

ある日、仕事ができて、現場をまとめてくれている50代の女性社員(役職はなし・実質チームリーダー)から、社長に強い口調で直談判がありました。

「もう、やってられません!こんなに無理して頑張って、家の事情(介護など)に支障が出ています!」

社長は、正直ショックでした。
というのも、その社員の家庭事情は理解していて、勤務や役割も、一番配慮していたからです。
しかも今は繁忙期。

「大変だけど、みんなで協力して乗り越えよう!」そうやって、気持ちをすり合わせたはずでした。
だから、思わず心の中で浮かんだのが、この言葉。
「やってられないのは、こっちだよ。」これが、社長の本音でした。

この話を聞いて、あなたはどう感じましたか?
・限界まで頑張っている社員の気持ち
・裏切られたように感じる社長の気持ち
正直、どちらも、わかる。
本当によく、わかります。
でも…ここで止まってしまうと、何も解決しません。
「わかる」「気の毒だ」それだけでは、関係も、状況も、変わらないのです。
では、どうすればよかったのでしょうか?

解決のポイントは、3つです

① 普段の関係性が、いちばん影響する
結局、すべては関係性です。
もし、普段から信頼関係があり、お互いを尊重し合えていたなら。
同じ言葉を投げられても、社長の受け取り方は、こう変わります。
「ここまで言うほど、何か相当しんどい背景があるのかもしれない。」

逆に、日頃から不満が溜まり、本音が出ない関係だったとしたら。
その言葉は、攻撃として届いてしまう

全く同じ言葉・態度でも、関係性によって、受け取り方はまったく変わるのです。
だからこそ、トラブルが起きてから対処しようとしても、実はもう、手遅れなことが多いのです。

② 言葉を受け止めず、「背景」だけを見る
ここで、とても大事な視点があります。
言葉を、そのまま受け止めないこと
「やってられません!」この言葉に反応すると、防衛や反論が、反射的に出てきます。
でも、本当に見るべきなのは、言葉ではありません。

・なぜ、今、ここまで追い込まれたのか
・どこで、誰にも言えず、我慢を重ねてきたのか
・本当は、何を助けてほしかったのか

つまり、背景です。多くの場合、強い言葉の奥には、「わかってほしい!」そんな、切実なサインが隠れています。

とはいえ、言葉に反応してしまうのは自動反応。
これは、誰にでも起こります。
だから大切なのは、反応している自分に気づくこと

「あ、今、言葉に反応して、感情が動いたな。」
ここに気づければ、その後の関わり方を、自分で選べるようになります。

③ 「関わり方」を変えれば、解決できる
では、この事例はどう解決したのか。
社長が最初にやったことは、社員を説得することでも、制度を見直すことでもありませんでした。

自分自身の感情を、大切にすること
「裏切られたと感じた」「悔しかった」「しんどかった」
まずは、社長自身が、自分の感情を否定せず、ありのままに受け止めたのです。
すると、不思議なことが起きました。

心に余裕が生まれ、「ちゃんと、話を聞いてみよう。」そう自然に思えたのです。

後日、落ち着いた場で、社員の話を最後まで聞きました。
否定も、反論もせずに。
すると、今度は社員の方から、こんな言葉が出てきました。
「強い言い方をして、本当にすみませんでした。」「聞いてくれてありがとうございます。」

その後、役割や関わり方を微調整し、関係は、以前よりもずっと良くなっていきました。

小さな組織ほど、感情は無視できない

人数が少ない組織では、一人の感情が、全体に与える影響が大きくなります。
だからこそ、感情を「問題」として扱わず、関係を整えるサインとして扱う。
どちらが悪いか、ではありません。
どう関わり直すか。その出発点は、いつも自分自身の感情を、大切に扱うこと

しかし、このことを、実は誰も教えてくれません。
この社会には、感情が反応したときの対処法として、
・アンガーマネジメントする
・発散する
・溜め込む
この3つしか、概念がないのです。

でも本当は、「ありのまま受容し、大切にする」それだけでいい。
一番シンプルで、お金も、時間も、修行もいらない。

この習慣があるだけで、ほとんどの人間関係の問題は、驚くほどほどけていきます。
だから私は、現場でこの習慣が根付くよう、心血を注いで向き合っています。
まずは、社長自身の感情を、大切にすること
そこから、すべてが始まります。

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