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岩田 徹

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第246回 感謝

2025/09/05

夏の甲子園は沖縄尚学高校の初優勝で幕を閉じました。
酷暑での開催に対しての非難。
男子生徒24人中23人が野球部員という通信高校出場に対する意見。
県外出身者ばかりの代表チームに対する意見。
広島代表の広陵高校の部内暴力による途中辞退という問題。
午前と夕方の2部開催で、夜遅くまでの試合に対する非難。
様々な意見や問題がありましたが、
最後は沖縄尚学高校と日大三高との手に汗握る接戦の決勝戦。
今年も大きな盛り上がりを見せて、甲子園が終わりました。
6月から始まる地方予選から、8月末までの約2ヶ月間。
どこかで試合が行われ、試合に関わるチームやメンバーの
背景やストーリーが伝えられ、単なる勝ち負けだけでなく、
高校野球を通した感動話が毎年楽しみで仕方ありません。
この夏、決勝戦後の優勝チームインタビューで、
沖縄尚学高校の真喜志主将が、その日誕生日を迎えられたお母様へ
感謝の気持ちを述べていたのが印象的であり、感動的でした。

チームでレギュラーを獲得する確率。
キャプテンに選ばれる確率。
甲子園に出場する確率。
甲子園で決勝戦までたどり着く確率。
そして優勝する確率。
さらに今年の大会は1日だけ雨で順延があったため、
お母様の誕生日と決勝戦が同日になりました。
この運命的な日に甲子園優勝という最高の姿を見せた真喜志主将。
インタビュアーから、「感謝の思いを伝えてみませんか?」との提案を受け、
「自分を甲子園で優勝できるまで育ててくれてありがとうと伝えたいです。」
と答えました。
そのタイミングでスタンドにいるお母様が映し出され、
タオルを顔にあてて号泣されていました。
お二人にはこれまでの18年間に様々なことがあったと思います。
いいことばかりでなく、うまくいかないこともあったり、
時にはぶつかることもあったと思います。
そんな苦労や苦難、苦労も、この「ありがとう」という一言で
全てが吹っ飛ぶほどの感動があったと思います。
ここまでの舞台は日常でそれほどないですが、
心からの感謝を伝えることは大切であると、
インタビューを見て改めて感じた、そんな夏の甲子園決勝でした。