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深山 敏郎

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第98回 自分を勇気づけてくれる言葉①坂村真民の言葉 第一回目

2023/05/02

前回は、対人関係のレジリエンス(2)「職場のユーモア④」として、とっさの時にストレスを下げるユーモア2種類をご紹介しました。

今回から何回か、自分を勇気づけてくれる言葉をご案内しましょう。
今回から2回にわたって坂村真民(さかむらしんみん)の詩をご紹介します。

二度とない人生だから

坂村真民(さかむらしんみん)とはどのような人なのでしょうか。
1909年に生まれ、2006年に没した日本の詩人で、「癒しの詩人」と言われていたそうです。
彼は鎌倉時代の僧侶一遍(いっぺん)に大きく影響を受けたため、真民のことを仏教詩人と呼ぶ人も多くいたとのことです。
真民は愛媛で国語教師をしていた時期があり、記念館が松山にあります。

記念館Webは以下です。
https://www.shinmin-museum.jp/

筆者はたまたま数年前、愛媛の親戚を訪れた時にこの記念館を案内してもらい、彼の詩に出会いました。
感動するとともに、彼の多くの詩に影響を受けました。
今回は彼の有名な詩の中から筆者が強い感銘を受けた詩「二度とない人生だから」をご紹介します。

「二度とない人生だから
 一輪の花にも
 無限の愛を
 そそいでゆこう
 一羽の鳥の声にも
 無心の耳をかたむけてゆこう

 二度とない人生だから
 つゆくさのつゆにも
 めぐりあいのふしぎを思い
 足をとどめてみつめてゆこう」(坂村真民)

何とシンプルで、インパクトの強い詩でしょうか。筆者もワーズワース(ウィリアム・ワーズワース 英国を代表する詩人 1770-1850 湖水地方を愛し、ロマン派詩人と呼ばれた)など英国の詩人たちに多くの影響を受けました。
真民のこの詩の「つゆくさのつゆにも~」という表現がワーズワースの"Ode: Intimations of Immortality from Recollections of Early Childhood"の以下の一節に似ています。

”~
Though nothing can bring back the hour
Of splendour in the grass, of glory in the flower;
We will grieve not, rather find
Strength in what remains behind;~”

「何ものも 取り戻すことはできない
 草原の輝きも、花の栄華も
 しかし悔やむまい
 残ったものの中に強さを見出そう」(筆者拙訳)

ワーズワースの詩のこの一節から筆者は若いころ、生きる勇気を貰いました。

真民はワーズワースのこの詩に強く影響を受けたのではないかと思います。
いずれの詩にも、悲しみをこらえて未来に向かっていこうという意思を感ずるのです。

次回は真民の代表的な詩「念ずれば花ひらく」をご紹介しましょう。

レジリエンスの高い人の特徴を詳しく知りたい方は、拙著:「レジリエンス(折れない心)の具体的な高め方 個人・チーム・組織」(セルバ出版)などをご覧いただければ幸いです。

(筆者:深山 敏郎)
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