28日という節目と、「〇〇納め」という日本の文化
2025/12/28
12月28日。
すでに仕事納めを終えている人もいれば、まだ働かれている方もいると思います。
日本の行政機関の休日は、法律によって12月29日から1月3日までと定められています。
そのため、その前日にあたる12月28日が、実質的な「公式の仕事納め」として長く扱われてきました。
民間企業では必ずしも同じとは限りませんが、年末の空気として「28日=区切り」という感覚を持っている人は多いのではないでしょうか。
「〇〇納め」という言葉の不思議
仕事納め、稽古納め、飲み納め、買い納め。
日本では年末になると、自然と「〇〇納め」という言葉を使います。
考えてみると、少し不思議な表現です。
「終わり」ではなく、「納める」。
この「納める」という言葉には、きちんと区切りをつけ、次につなげるために収めるというニュアンスが含まれているように感じます。
ただやめるのではなく、ただ終わらせるのでもなく、一度手元に引き寄せて、整理してしまう。
とても日本らしい感覚だなと思います。
今年、自分が意識した「〇〇納め」
今年を振り返ってみると、個人的に意識した「〇〇納め」がいくつかあります。
ひとつは、対話の納め。
忙しさを理由に、メールやチャットで済ませていたやり取りを、年末はできるだけ直接会って話すようにしました。
その中で、文字だけでは見えていなかった背景や本音に触れることができました。
もうひとつは、考えごとの納め。
未消化のまま頭の片隅に残っていた案件や判断を、年内に一度すべて棚卸ししました。
結論が出なくても、「ここまで考えた」というところまで整理するだけで、気持ちはずいぶん軽くなります。
納めることで次が始まる
「〇〇納め」は、過去を閉じる行為であると同時に、次の一年を迎える準備でもあります。
きれいに納められたものは、また必要なときに、迷わず取り出せる。
28日は、そんなことを考えるのにちょうどいい日なのかもしれません。
今年、あなたは何を納めて年を終えますか。