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岩田 徹

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第247回 企業風土

2025/09/12

夏の甲子園でスタンドを大いに沸かせた県立岐阜商業高校。
過去に春夏の甲子園で4度の優勝を果たし、古豪と呼ばれています。
古豪、つまり、昔は強かった学校、ということです。
岐阜県も他県に違わず、私立高校が強くなるなど、
県立岐阜商業も県内を勝ち抜けない時代が長く続きました。

そこで白羽の矢が立ったのが鍛冶舎巧さん。
アマチュア野球界では超がつく有名人で、
大阪の名門、枚方ボーイズの監督を務め全国優勝3回。
その実績と、枚方ボーイズで育てた選手とともに、
熊本県の秀岳館高校を率いて甲子園初出場を果たすとともに、
3季連続でベスト4進出に導くなど、その手腕を遺憾なく発揮されていました。
その秀岳館高校を退任された後、
2018年に母校である県立岐阜商業の監督に就任されました。

監督就任後、練習や試合を通して感じたことは、
チームの中に漂う「そこそこ強いチーム」という雰囲気だったそうです。
県大会の前半戦で負けることはあまりないが、
上位で私立強豪校と戦うと負けてしまう。
でも、仕方ないよね、善戦はしたよね、という雰囲気が漂っており、
これでは県内を勝ち抜くどころか、
古豪と呼ばれたまま没落していく危機感を持ったそうです。
古豪ではなく強豪と呼ばれるためにも、チーム内の風土を変革し、
戦う集団、勝つ集団に変えることが先決であると感じたそうです。
練習方法も練習内容も、そして練習に向き合う姿勢も、
野球やチームに対する考え方も、全てを入れ替えると必死に取り組まれました。
その成果が現れ、2020年春(開催中止)、2021年春夏、2022年夏の計4回、
チームを甲子園に導きました。
2024年夏の県大会で敗退し、新チームへ移行した際、
選手たちの姿勢、考え方、練習内容など、全てを見た時に、
「こんなに早い段階で高い基準で選手たちの目線が揃い、意識も高いのであれば、
今後のことを考えて後任に座を譲り引き継ごう。」
と考え、監督を退任されました。
そのチームこそが、今夏大活躍。
センバツ優勝の絶対王者横浜高校を破り、ベスト4進出を果たしました。

戦える組織を作ること。
高いレベルで競争が起こり、チーム全体に慢心がないこと。
甲子園出場はもとより、甲子園でいかに勝ち抜くかに基準があること。
こうした意識の高さが、最上級生の3年生が引退しても、
新チームのメンバーに浸透していること。
これがまさしく風土であり、文化であると思います。
高校野球は毎年チームが入れ替わります。
会社はどうでしょうか。
多少の入れ替わりはあっても、組織は長く続いていると思います。
この組織内に漂う空気、雰囲気はいかがでしょうか。
戦えるチームになっていますか?
そこそこで満足している組織になっていませんか?
県立岐阜商業、鍛冶舎前監督が作り上げた風土、文化。
会社でも見習う部分は多そうですね。

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