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岩田 徹

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第236回 超一流の振る舞い

2025/06/27

ここのところ毎日ニュースになるメジャーリーグ大谷翔平選手。
ホームランを打っても打たなくても、ヒットを打っても打たなくても、
どんなことでもニュースになる。
大谷選手がスーパースターたる所以ですね。
大谷選手の活躍は多くの日本国民に勇気や元気をもたらしてくれています。
先日お昼休みにフラッと立ち寄ったお蕎麦屋さんで、
その店の常連と思われる年老いた方々が、
焼酎片手にその日の大谷選手の活躍を話題にしていました。
やることがないから毎日早朝から大谷選手の試合を見ているとのこと。
その日は偶然投打二刀流の日だったため、常連さんもご機嫌でお酒が進んでいました。
老若男女問わず、日本国内にとどまることなく、世界に影響を与える大谷選手。
その大谷選手が先日対戦したパドレスとの対戦でデッドボールを受けました。
そのデッドボールが故意ではないかと、両軍がいがみ合うシーンがありました。
警告試合と発せられ、両軍監督が退場処分を受けるなど、球場内に不穏な空気が漂いました。

事の発端はドジャースの投手が故意ではなかったにせよ、
パドレスの主力選手であるタティスJr選手にデッドボールを与えてしまったこと。
パドレス側は味方選手を守らねばならず、例え故意ではないとしても、
「ストライクゾーンに投げられないような投手を起用するな!」という主張。
そういう投手を起用するなら申し訳ないがドジャースの主力である大谷選手を狙います。
狙われたくないのであれば大谷選手を試合から外すか、
ちゃんと投げられる投手を起用しなさい。
という論理だそうです。
案の定、大谷選手の打席では故意とも受け取れるデッドボールがありました。
世界一の選手とも言える大谷選手を狙われたドジャースは怒り心頭。
今にもベンチを飛び出して乱闘が起こるか、と思われたその瞬間、
大谷選手はチームメイトを制御するように手を振り、一塁へ走り出しました。
それでも不穏な空気が漂う球場で、大谷選手は相手ベンチ前に両手を後ろ手にして、
「僕は大丈夫だよ。」と言わんばかりに満面の笑みで歩み寄りました。
一塁を守る相手選手とも談笑し、その場がおさまりました。

150キロものスピードで硬いボールが当たれば、とんでもない痛さです。
実際に大谷選手も当てられた箇所は内出血があり変色しているそうです。
それでも「打撲は数日すれば治る」とのことで、気にもせず試合に集中していました。

長いメジャーリーグの歴史の中で暗黙の了解は多く存在するとのこと。
デッドボールの報復もその一つでしょう。
やられたらやり返す。当てられたら当て返す。
こうした風習まで大谷選手は変えてしまうのではないか。
と思わせるような、大谷選手の見事な振る舞いだったと思います。
プレーだけで一流ではなく、振る舞いでも超一流。
だからこそ多くの人を魅了し、ファンが増えるのだと感じました。