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岩田 徹

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第87回 鉄人

2022/08/12

2004年のアテネオリンピック、ハンマー投げで金メダルを獲得した室伏広治さん。
陸上の投擲種目でアジア人として史上初の金メダルであり、
ハンマー投げのアジア記録および日本記録の保持者でもあります。
現役の時はその強さ、体格から鉄人と呼ばれ、
引退後もオリンピック、パラリンピックの組織委員会の理事として奔走し、
現在はスポーツ庁長官として活躍されています。

室伏広治さんは私と誕生日が2週間しか違わない同年代の方です。
その室伏さんがおっしゃられていた言葉で印象的なのが下記の2つです。
「ある所を越えると、そのトレーニングではその上に行けなくなるところがある。
結局は自分自身が編み出す以外ない。最近は自分で作った練習以外、
効果がなくなってきた。」
「できないことをやるのが練習。慣れてしまったらトレーニングとは言わない。
だって、もうできているんだから。」

今ほど体幹の重要性が語られていなかった20年以上も前から
体幹トレーニングを取り入れていたそうで、
全国大会で争うライバルからは、
「その練習は何の役に立つの?」「何の意味があるの?」
と思われていたそうです。
また、「筋力をつけるだけではハンマー投げは勝てない」と、
アンバランスな状態でウエイトトレーニングを行ったり、
扇子や投網を投げたり、新聞紙を片手で丸めたり、
ハンマー投げ以外の瞬発力を要するスポーツから学んだり、
様々な工夫をされて世界のトップで戦い続けたそうです。

「技を極めるのは、紙を毎日重ねるようなもの。
しかも、紙が本物でなければならない。
瞬間のひらめきや、1日2日でできるものではない。」
ともおっしゃられていました。
世界のトップで長く活躍される方は考え方の部分から大きく違うと感じました。

〜中小企業の採用・育成のヒント〜

高い目標を持ち、創意工夫を重ね努力を継続すること。
慣れによるマンネリを防ぎ、自社、自分と向き合い強みを伸ばすこと、
課題を解決すること。
日々の本物の積み重ねが、やがて大きな花を咲かすことになるのだと改めて感じました。