「AIさえ導入すれば、働き方が劇的に変わる」
そんな“魔法の杖”のように
AIを捉えている方も少なくありません。
しかし現実は、
AIを取り入れただけで
業務効率が急に改善することはありません。
むしろ準備を怠ると、
「結局使われなかった」
「期待したほどの効果が出なかった」
といった結果に終わってしまうのです。
◆まずは「仕事の棚卸」から
AI導入の前にやるべきことは、
最新のツールを試すことではなく、
まず自分たちの仕事を正しく把握することです。
具体的には「仕事の棚卸」。
社員一人ひとりが日々どんな業務を行い、
どのように次の工程へつながっているのかを
洗い出します。
その上で、部署やチームごとに
「業務フロー」として
全体像を描き出すことが第一歩です。
たとえば、採用業務を例にすると
「求人情報まとめ → 求人情報公開 → 応募者対応 → 面接調整 → 評価 → 内定通知」
といった主な流れがあります。
この一連の流れを整理してはじめて、
自社の業務のどこに
ボトルネックがあるかが見えてきます。
◆業務フローを描いてから、AIの役割を考える
業務の全体像が把握できたら、
次は「どこをAIに任せるか」を検討します。
・求人原稿のたたき台作成をAIに任せる
・面接日程の自動調整をAIツールに委ねる
・評価コメントの素案をAIに書かせる
といった具合に、
AIは“代替”というより
“補助”として効果を発揮します。
重要なのは、
「人がやるべき部分」と
「AIで効率化できる部分」を
見極めることです。
◆人が担うべき仕事との切り分け
AIが得意なのは、
大量処理や定型業務です。
一方で、社員との対話やモチベーション形成、
経営判断など、
人が担うべき業務は必ず残ります。
むしろAIで省力化できた時間を
「人にしかできない価値創造」
に充てることこそが、
経営にとって最も大きなリターンとなります。
人事領域でいえば、
「人事評価面談」
「キャリア相談」
「組織風土づくり」などは
AIに代替できない部分です。
AIを導入することで、
管理業務の負担を減らし、
人事担当者がこうした本質的な業務に
集中できる体制を作ることが理想です。
◆まとめ
AI導入のカギは、
ツール選びではなく準備にあります。
1. 仕事を棚卸し、業務フローを整理する
2. どの工程をAIに任せるかを明確にする
3. AIで空いた時間を、人にしかできない仕事へ振り向ける
このプロセスを踏むことで、
初めてAIは「使える武器」として
機能するのです。
◆人事・経営者視点での一言アドバイス
AIは“コスト削減の道具”ではなく、
“人の力を最大化するパートナー”です。
導入前にしっかり棚卸をしておけば、
AIは社員の成長を支え、
組織の生産性を高める強力な味方になります。
経営者や人事担当者こそ、
この準備の重要性を社内に示し、
社員と一緒にAI活用の地図を描いていきましょう。
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