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高松 秀樹

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第258回:スターバックスの新業態 〜人と時間と空間の関係性〜

2025/11/22

11月21日。
「スターバックス コーヒー ジャパン」は2つの異なる新業態を同時に立ち上げました。
ひとつは「カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)」との協業による「LOUNGE & CAFE」、もうひとつは新幹線ホーム上では全国初となる「JR新横浜駅 新幹線下りホーム11号店」です。
いずれも立地や顧客接点に新たな視点を加えた“挑戦”であり、ブランドの“次なる進化”を物語っています。

「LOUNGE & CAFE」は、これまで両社が展開してきたBOOK & CAFEの延長線上にあるものの、その位置づけは“より深いもの”です。
読書や仕事、会話といったシーンを包み込む空間をつくることで、単なる「コーヒーを飲む場所」から「時間を過ごす居場所」へと価値の転換を図っています。
スターバックスがCCCの提案性やラウンジ機能と融合したのは、ポストパンデミックにおける“第三の場所”の再定義とも言えます。

一方、新幹線ホーム上の新店舗は、利便性を極限まで突き詰めたモデルです。
完全キャッシュレス、スマートコーヒースタンドの導入、簡素なメニュー構成といった効率性に加え、「旅立ちのひとときを心地よく演出する」接客の工夫が光ります。

わずか13.9㎡の空間で、出発前の高揚感に寄り添う“人の温かみ”を織り込むあたり、無機質になりがちなデジタル時代の店舗づくりに一石を投じています。

スターバックスは単なるカフェチェーンではなく、「人と時間と空間の関係性」に新しい解を提示し続けるブランドであることを、今回の2つの試みは静かに、しかし力強く証明しているように感じるのであります。

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