皆さん、こんにちは。
社外人事部長の長谷川満です。
今週も「ハチドリのはね」をご覧いただき、
ありがとうございます。
さて、日々多くの経営者の方と
お話をさせていただく中で、
実はとても多く、そして根深い
「ある共通点」に気づくことがあります。
それは、多くの中小企業が
「社長が何とかしてきた会社」である、
ということです。
創業期から今まで、
圧倒的な営業力で顧客を開拓し、
卓越した技術力で製品を磨き、
独自の人間力と人脈で危機を乗り越えてきた。
今の会社があるのは、
間違いなく社長個人の
「スーパープレイヤー」としての力が
あったからです。
それ自体は、
本当に素晴らしいことですし、
誇るべき実績です。
しかし、です。
会社が成長し、
社員が増え、
ある一定の規模(たとえば30人の壁など)を
越えようとしたとき。
これまで会社を支えてきた
その社長の「強み」が、
逆に組織の成長を阻む
「足かせ」に変わる瞬間が訪れます。
もし今このブログを読んでいて、
次のような感覚をお持ちなら、
少し注意が必要かもしれません。
「結局、自分が現場に出ないと物事が進まない」
「些細なことでも、社員が私の判断を仰ぎに来る」
「自分がいなくなったら、来月の売上が立つか不安だ」
いかがでしょうか?
もし心当たりがあるなら、
会社は今、「社長依存症」という
静かな病に侵され始めているかもしれません。
この状態の恐ろしいところは、
「社長が頑張れば頑張るほど、組織が弱くなる」
という悪循環に陥ることです。
社長が何でも即決し、
解決してしまうと、
社員はどうなるでしょうか。
「社長に聞けば正解が返ってくる」
と学習します。
すると、社員は自ら考えることを止め、
「指示待ち」が常態化します。
判断力も養われず、
リーダーも育ちません。
結果、社長はさらに忙殺され、
本来やるべき「未来の仕事」に
手が回らなくなる。
そして組織は少しずつ、
しかし確実に機能不全へと向かっていくのです。
では、この負のループを断ち切り、
社長がいなくても回る組織を作るには
何が必要なのでしょうか?
精神論ではありません。
もっと具体的な「仕組み」が必要です。
それが、
「組織の設計図」をつくる
ということです。
いわゆる「組織図」のことですが、
私が申し上げているのは、
単に役職者の名前が並んだだけの
「名簿」のようなものではありません。
●誰が
●何の役割を持ち
●どこまでの権限と責任を担うのか
これを会社全体で「見える化」し、
共有するための「設計図」です。
多くの中小企業では、
「あの人は古株だからこの仕事」
「あの人は能力があるからあれもこれも」
といった具合に、
「人ありき」で
仕事が配分されがちです。
これを、
「仕事(機能)ありき」で
整理し直すのです。
「誰がやるか」ではなく、
「組織として何の機能が必要か」を定義し、
そこに人を配置していく。
こうすることで初めて、
社員は「自分の守備範囲」と
「責任」を自覚し、
社長の顔色を伺うことなく、
自分の役割の中で判断して動けるようになります。
これこそが、
社長依存から脱却し、
組織が自律的に動き出すための
最初にして最大のステップです。
社長の頭の中にある
「阿吽の呼吸」や
「暗黙知」だけで
経営ができる時期は、
もう卒業です。
会社の未来は、
社長一人の頭の中ではなく、
誰の目にも見える形になった
「組織の設計図」の中にこそ
あるのです。
まずは、白紙の紙に
「理想の組織図」を
描いてみることから始めてみませんか?
それが、御社が「次のステージ」へ進むための
「ハチドリのはね」のような、
小さくとも確実な一歩になるはずです。
【今週の問いかけ】
今、あなたが抱えている仕事の中で、
「本来は部下に任せるべきだが、手放せていない仕事」
は何ですか?
まずは1つ書き出し、
それを「誰(どのポジション)」に任せるべきか、
組織図を見ながら考えてみてください。
もし組織図がなければ、
手書きで描いてみましょう。
それが組織づくりの第一歩です。
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