HACHIDORI NO HANE(ハチドリのはね)HPトップ

星 寿美

ホーム > 星 寿美 > 記事一覧 > 第53回 こじれた関係を解決する肝はたったの1つ

第53回 こじれた関係を解決する肝はたったの1つ

2022/04/18

人間関係で悩んでいる人は多いかと思います。
特にこじれてしまった関係は修復が難しいと感じている方がほとんどかと思います。

そして私自身、人間関係に長年、深く悩んでいましたが、今では、例えば親への確執もスッキリ解決し感謝が溢れています。
DVで別れた夫とも今は無理なく友人関係を築いています。

また、さまざまな組織の中でこじれてしまった人間関係を根本的に解決してきています。
なので、こじれた関係を解決する専門家と言っていいかもしれません。

なぜ、多くの人が『難しい』と感じている『根本解決』ができるのか?
それはスキルを使っているからでもないし、特別なものが見えるわけでもありません(笑)
たった1つのことをしているからなのです。

今日の記事では、以下の3つのことを通じて『たった1つのこと』を言語化してみようと思います。

・人間関係の元は自分自身との関係
・『本音』とは何か?
・『本音』を出し合えば解決する(←たった1つのこと)

人間関係の元は自分自身との関係

まず、全ての人間関係の元は、自分自身との関係だと私は実感しています。
自分との関係が悪いと、人ともトラブルを起こします。
自分との関係がいいと、人とも気持ちよく付き合えます。

もちろん、人間関係を作っているのは『お互い』ですが、自分自身との関係が関係性に大きく影響しているのです。

自分自身とは、自分が自分に心の中でかける『言葉』だったり、自分への評価などと言い換えることができそうです。

例えば、自分に対して「自分はなんてダメなんだ。もっとちゃんとやれ!」などと、自己否定する習慣がついている人は、否定してくる人が周りに集まります。

逆に「今回はうまくいかなかった。何をすればうまくいくのか考えて次は頑張ろう!」と、上手くいかなくても、自己否定をせずに『いつか自分にはできる』と考えて(自分を肯定)いると、応援してくれる人が周りに集まります。

また、何か特別なことをしないと人から認められない(自分に自信がない)人は、資格を取るとか昇進するなどの条件を『人から認められるために』頑張ります。
すると、何かしら条件がないと自分を認めることができず、人の目を気にしすぎてしまったり、自分に課した条件をクリアしても自信が持てなかったりします。

逆に、ただ「自分がしたいから」という理由で資格を取ったり、仕事を頑張ったりしている人は、資格があってもなくても、昇進してもしなくても好かれます。

もちろん相性や気の合わない人はいますが、人生で出会う全ての人と仲良くなる必要なんてありません。
自分自身との関係性がいいと、相性の悪い人でも心の中で適度な距離を保てるので、ストレスを感じることなく、時には刺激しあって成長し合えたりすることも起こるのです。

誰かとの人間関係がこじれた時は、相手うんぬんの前に、まず自分自身との関係を見直すバロメーターになるのかもしれません。
まずは自分自身との関係が元にあるのだということが前提です。

『本音』とは何か?

さて、どんな人間関係を解決する場合でも、自分の本音がなんなのか?がわからないと、解決はできません。
なぜなら何がどうなることが『解決』したことなのか、わからないからです。
また、自分すら理解していない自分を人に理解してもらうのは難しいからです。

では、よく聞くその『本音』とはなんでしょう?
研修の時に社員さんに「本音を伝えればうまくいきますよ。」とお伝えすると・・・

「本音なんて言ったら、余計にこじれるよ。だから言わない方がいいんだ!」という方が多いのです。
なので、多くの方が『本音』という言葉の概念を『感情』と混同してしまっていることがよくわかります。

ムカつく!・嫌だ・苦手だ・嫌いだ・etc・・・

こういうマイナスな感情のことを『本音』だと思っているから、そんなことを伝えたらこじれてしまうと心配している方が多いのでしょう。

でも、本音というのは、それらの感情の下にあるものです。
本当に自分が大事にしている価値観や想い、それらが否定されたり蔑ろにされたりするからマイナスの感情が生まれます。

だから、マイナスな感情を掘り下げて『自分が本当に大切にしている価値観や想い』を言語化することが非常に大事なことですし、マイナス感情こそが、そのアンテナなので、とても大切な感情です。

例えば、誰か(上司・同僚・友人・親・etc)に対して「もう、めっちゃムカつく。やだー!嫌い!」と感じた時に、

どうして、こんな気持ちになるんだろう?と自分に問いかけます。すると・・・

「あんな言い方しなくてもいいと思う。すごく傷ついた。」

とそのマイナス感情が生まれた『きっかけ』をまず明確にできます。
それは、ただの『きっかけ』です。そこで、心の中で「そうだよね。あんな言い方しなくてもいいよね。傷つくよね。」と自分の感覚を肯定し、感じ、受け入れます。
ここを十分感じきったら。

「どうして、いやと感じたのだろう?どうして傷ついたのだろう?」と自問します。
すると「だって、こうだから、あーだから。」と理由が出てきます。

その理由が明確になったら、次に「じゃぁ、本当は私はどうして欲しかったんだろう?」と自問します。
自分の望みを明確にします。
最後に「どうして、そうして欲しかったんだろう。」と自問します。

このように、自問を繰り返し、掘り下げていくと、例えば・・・

・相手と信頼関係を築き育てたいと願っているんだ。
・相手とのいい時間を大切にしたいと思っているんだ。
・相手のことをすごく大切に思っているんだ。

などの・・・マイナス感情の奥にある、言語化されていない、本当の想いや価値観が明確になります。
それは自分の感情を否定せずに感じて、そこから深堀りしていくことで言語化されます。
その最後に出てきた本当の想いや価値観こそが『本音』です。

『本音』を出し合えば解決する

上記に挙げた『本音』を伝え合うことで、どんなこじれた関係も解決することができます。
私はこの方法で、多くの本当にこじれてしまった関係を解決してきました。

書くとシンプルですが、人間の『感情』は多面的で複雑です。
しかも、このように自問する教育を受けてきておらず、誰も習慣になっていません。

だから、最初は非常に難しく感じてしまうかもしれません。
しかし、習慣になると、自分を知る面白さ、人と繋がり合える嬉しさなどを感じて、どんどん楽しくなるでしょう。
人は関係性の中で生きているから。

マイナスの感情やその感情が起こった理由を『本音』と思っているから、どこまでもこじれていきます。
それらは自分の本当の気持ちを知る『アンテナ』に過ぎないのです。

相手に向けていた矢印を、自分に向けて、どこまでも深堀していくと、自分を理解できます。
自分自身も理解できていないことを、相手に「わかってわかって」とやっても、わかるわけがありません。

まずは、自分との関係が先。そして、本当の意味での『本音』を伝え合うことで、どんなに分かり合えない想いや価値観も、例えば・・・

「自分とは違うかもしれないけれど、相手はそう感じているんだな。」
「結局、同じようなことを思い合っていたんだな。」

などと理解しあえるのです。

このように、全く相容れない価値観でも、また近い価値観でも、多種多様な価値観が気持ちよく共存し、お互いに触発し、成長しあえる関係性を増やしたいと私は日々、感じています。

最初は、難しいのですが習慣になればシンプルなことです。
ということは、これができれば自己理解や人間関係構築のための一生使える最高のコミュニケーション習慣です。

どうしても解決したい関係がある、社内の関係性をよくしたい、自分一人だと難しい、などと感じている方は、ぜひお気軽にご相談くださいね。