HACHIDORI NO HANE(ハチドリのはね)HPトップ

菊岡 正芳

ホーム > 菊岡 正芳 > 記事一覧 > 第5回 任せたが放置になった

第5回 任せたが放置になった

2023/11/06

任せたが放置になった

という経験はあなたにはありませんか?

私のビジネスでの失敗の話です。

あるプロダクトのマーケティングの部長(ヘッド)の時、

大きなキャンペーンを実施することになりました。

さまざまな企画が10本以上走るキャンペーンです。

その中には海外でのイベントも含まれています。

メンバーに、営業部門から優秀な営業所長だった後輩が
ちょうど着任してきました。

優秀な営業所長だったので、
リーダーシップもあり、
プロジェクトの管理も、
彼ならやってくれるだろうと期待して
プロジェクトリーダーに任命しました。

大きなプロジェクトの経験はないですが、
優秀な人なので、自らも学び進めてくれると期待し、
プロジェクトマネジメントの本なども渡し、
プロジェクトのゴールを一緒に想定して、
任せました。

私にも遠慮があり、営業所長として優秀だったので、
あまり口出ししてはいけない、
自主性に任せようと思っていました。

私にはグローバルのプロダクトや
該当領域の仕事もあり、
最も重要なプロジェクトですが、
優秀な部下に任せるという判断と行動を
選択したのです。

その時の私は厳しい人として知られています。

リーダーに任命された部下は、
自分で学んだんですが、
経験がないことで進め方のポイントが
わからない。

本には書いていない実践のコツが
わからない。

プロジェクトマネジメントの
進め方の図:チャート(ガントチャートとも言われます)
は本に掲載されてはいますが、

自分のプロジェクトの場合に
どう分解して作っていけば良いのか
全くわからなかったのです。

このような悩みも知らずに
1ヶ月経った時点で、
1対1のミーティングを行います。

私が
「できたか?どこまで進んでいる?」
と聞くと、
とてもバツが悪そうな顔をしています。

「どうなってる?」
「進行状況を教えてくれないとわからない」
と問い詰めていくと、

彼は
「本当に申し訳ありません、
プロジェクト管理は全く進んでいません」
と謝ります。

そこで私は、追及モードをやめて
「そうか、事実を教えてくれるか」
と寄り添い始めました。

彼は話してくれました。
「なかなか言い出せなかったのですが、
学ぶことは学んだのですが、
実際に落としていくことが
さっぱりわかりません。」

言い出しにくさを作っていたのは私です。

私の責任であることを認め、
ここから実際の作り方を
手取り足取りで進めました。

実際にやって見せて、
コツを掴むと、
飲み込みの良い優秀な人なので
進むことができます。

わからないところは
いつでもサポートする、
1対1の対話の機会を多くして、
彼がプロジェクト全体を引っ張っているように
みんなには見せて進めていくことができ始めました。

私がプロジェクトリーダーに寄り添うことで
プロジェクト全体がうまく周り出します。

優秀な人でも
初めてのことは初心者。

私が寄り添うことで、
初心者からエキスパートへの道を
進むことができます。

厳しいだけの菊岡さんでしたら、
突き放して、プロジェクトは
ボロボロになっていたでしょう。

厳しい菊岡に、
勇気を出して、
できていない現実と
その背景にある菊岡の態度を
指摘してくれた部下。

本当に感謝しています。