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益田 和久

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第166回 AIを使いこなす

2024/05/09

「生成AI」に関する報道を見ない日はないですね。
労働力不足や価値観の多様化、また少子高齢化に伴う新しい生活様式を鑑みたときに、AIとどのようにして共存していくのかは不可欠になってくるのだと思います。
数年前から「AIの出現により今後なくなっていく仕事」という話はありましたが、当初は半信半疑の方も多かったと思いますし、AIに対してのリスクや問題点を指摘する声もありました。
実際に海外では映画作業の方々が「AIに仕事を奪われた」と訴訟をしています。
脚本や絵コンテの作成、特殊効果演出をするときのCG(コンピュータグラフィックス)、場面に合った楽曲の自動生成と生成AIがやってしまうわけです。
当然AIの能力のベースは過去データによるもの。
長年にわたってコンテンツ制作に携わってきた人が、これまで自分たちが培ってきた知見や経験をAIに奪われたと感じるのも理解できます。
自分たちが何十時間もかかってやっていたことが、“試作品レベル”とはいえ、あっという間にやってしまうわけですからお手上げなわけです。

ここで明確にしておきたいのは、AIが仕事を奪ったのではなく、AIを使いこなしている方が仕事を奪っているということ。
それは工場で人間が手作業でやっていたことが工業用機械に置き換わることと同じです。
飲食店はタッチパネルオーダーのロボット配膳、小売店はセルフレジ、誤字脱字チェックは専用ソフトでと、機械に置き換わったものをあげるとたくさんありますが、これは全て人が意思決定してきたものです。
AIに置き換われるスキルは通用しないので、置き換えることができないスキルを習得するしかない。
ただしそれもいつかはAIに置き換わる可能性があるわけで、そうなると必然的に“どうやってAIと共存していくか”を考えるようになるのだと思います。

弊社の場合、IT担当メンバーがいろいろとテストをしていて、こんなこともできる、あんなこともやれそうだとアドバイスをくれています。
私が多忙にかまけて使いこなす機会が少なかったので、このゴールデンウィークからトライすることにしました。
イメージを膨らますためにも、仕事、プライベート関係なく、思いつくままにやっていますが、かなり優れたアウトプットが出てきますね。
例えば「1週間の食事計画を立てるのに役立つテーブル(表)を作成したい」というとあっという間に作成してくれます。
さらに特定の好みを入力するとアレンジしてくれますし、気に入ったらそのまま食材もリストアップしてくれました。
検索すればほしい情報にヒットするかもしれませんが、ヒットした情報を精査していくのが大変です。
AIは継続的に“対話”しながら情報精査ができるので、自分の求めているアウトプットに辿り着きやすくなるわけです。

現時点ではっきりわかったことは、「プロンプト」と呼ばれる指示や質問の仕方が大事だということ。これは生成AIを使いこなす上で最も重要なことだと多くの方が言われますが、使ってみてなるほどと実感しました。
実際、AIでなく人に対して業務依頼をするときも“伝え方”によってアウトプットが違ってきます。
せっかく使い始めたので、いろいろ試してみて、このコラムで時々報告していこうと思ったゴールデンウィークでした。