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益田 和久

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第224回 AIとの「壁打ち」

2025/06/19

最近は弊社にオーダーをいただく情報活用や思考力の研修では、AI活用を取り上げることがスタンダードになってきました。
ここのところ、AIを業務で活用している人も確実に増えてきています。
一方で、まだ使えていない人もおり、同じ職場でもバラツキがあるのが現状です。

「AIって便利そうだけど、実際どう使えばいいの?」「何から始めればいいかわからない」という声をよく耳にします。
そこで今回は、AIを"壁打ち相手"として活用する具体的な進め方についてお話しします。

<AIとの"壁打ち"って何?>
テニスの壁打ち練習をイメージしてください。
相手がいなくても、壁にボールを打ち返してもらうことで、一人で練習できますよね。AIとの壁打ちも同じです。
自分の「問い」や「仮説」を対話型AI(ChatGPTなど)にぶつけて、考えを整理・展開していくプロセスのことです。

これまで一人で悶々と考えていたことが、まるで"1人会議"のように、情報収集から構造化、分析、発想、検証まで効率的に進められるようになります。
以下のようなシーンで活用してみてください。

【情報収集】
広い視点で概要を掴む 「働き方改革の最新動向について教えて」「SDGsに関する取り組み事例を業界別に整理して」といった具合に、まず全体像を把握したいときに重宝します。
インターネットで検索すると情報が散らばりがちですが、AIなら体系的にまとめて教えてくれます。

【仮説検証】
客観的な視点をもらう 「うちの部署の残業が多いのは、会議の進め方に問題があると思うんだけど、どう思う?」「この改善案、他にリスクはないかな?」など、自分の考えを客観視したいときに便利です。
一人で考えていると盲点に気づきにくいものですが、AIが違う角度からの意見をくれます。

【構造化補助】
複雑な話題を整理する 「このプロジェクトの課題をロジックツリーに分解して」「競合他社との比較をマトリクスで表現して」といった依頼も可能です。
頭の中がごちゃごちゃしているときに、AIに整理してもらうとスッキリします。

【アイデア出し】
新しい切り口を見つける 「コスト削減以外で業務効率を上げる方法は?」「若手社員のモチベーション向上策を5つ挙げて」など、発想の幅を広げたいときの伴走役として活用できます。

<研修での受講者の反応>
上記のようなことを研修でもやっていますが、実際にやってみると、みなさんが「なるほど、こういう風にやるんだ」「便利だな」「これからやってみよう」と言って目の色が変わるのがわかります。

特に印象的なのは「情報提供のスピードと質が想定以上にすごくてビックリした」「もっと早く使えば良かった」という声です。
また「壁打ちも自分のペースでできるからやりやすい」「資料作成(アウトプット)の提案までしてくれるので助かる」といった感想もよく聞かれます。

実際に体験してみると、AIの回答スピードと情報の網羅性に驚かれる方がほとんどです。
人に相談するには気が引ける些細な疑問でも、AIなら気軽に投げかけられるのも魅力の一つですね。

<始めの一歩は気軽に>
まずは身近な業務の悩みや疑問を、AIに投げかけてみてください。
「完璧な質問をしなきゃ」と構える必要はありません。相手はAIですから、何度でも聞き直せます。

ただし、AIとうまく付き合うにはちょっとしたコツがありますし、注意すべき点もあります。
次回はそのあたりを詳しくお話しして、AIを"便利な相棒"にするための具体的なポイントをご紹介します。