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第250回 人事評価制度は"公平"ではなく"納得感"が鍵
2025/09/24
人事評価制度を整える際、
多くの企業で
「公平な評価を行いたい」
という言葉が出てきます。
誰もが同じ基準で評価され、
努力が正しく報われるというのは
理想的な姿ではありますが、
現実的でありません。
なぜなら、
評価者の価値観や事業の状況、
また、組織文化そのものが
影響してくるからです。
だからこそ、
評価制度において
本当に大切なのは
「公平さ」ではなく
「納得感」なのです。
納得感とは、
「自分の評価に至るプロセスが理解できること」
「なぜそう判断されたのかが説明できること」
です。
たとえ期待した結果が得られなくても、
その理由が明確であれば、
人は意外と受け入れることができます。
逆に、評価がいくら“公平”だったとしても、
「なぜそうなったのか分からない」
「自分だけが不利なのでは」
と感じさせてしまった瞬間に、
不信感が生まれてしまいます。
この「納得感を高める」ための
第一歩として必要なのは
「基準の可視化」です。
評価の観点が抽象的なままでは、
受け取る側は
納得しようがありません。
たとえば、
「主体性」
という項目ひとつをとっても、
「自ら提案すること」
「周囲を巻き込むこと」など、
組織として重視する行動を
具体的に定義しておくことが必要です。
さらに重要になるのは
「対話」です。
評価というもの自体を
“年に一度の特別で一方的な通達“
にするのではなく、
“日常的なフィードバック”として
示していくことが大切です。
単なる成果だけではなく、
“取り組み方”や
“成長の過程”を認めて、
それを評価することで、
“本人の努力をしっかり見ている”
というメッセージになります。
この対話から生まれる
信頼感があってこそ、
最終的な評価に対しても
納得感が生まれるのです。
また、
「評価者自身の成長」
も欠かせません。
評価は人が人を判断する行為です。
どんなに制度を整えても、
評価者自身が
基準を理解しきれていなかったり、
自分の価値観に偏った判断をしたりすれば、
「納得感」は失われます。
評価者トレーニングや
相互チェックを取り入れ、
組織として
評価力を育てていくことが重要になります。
人事評価制度というのは、
単に“報酬の分配方法”というだけではなく、
その組織が、
「どんな行動や価値を大切にしているのか」
を示すメッセージでもあります。
そのメッセージが
現場で腹落ちしていなければ、
人事評価制度は機能しません。
評価の公平さだけを
追い求めるのではなく、
社員一人ひとりが
「納得できる」
と感じられる仕組みをどう設計するか。
それこそが、
人事評価制度の真価が問われる部分です。
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