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長谷川 満

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第284回 <脱・属人化>「スタープレーヤー」に頼らない組織の作り方

2026/05/27

新年度も始まり2ヶ月ほど経ちますが、
研修などを終えた新入社員が
部署配置をする企業も
多いことかと思います。


組織にとって
優秀な人材が入社してくれることは
大変喜ばしいことですが、
人事の責任者としては、
そこに潜むリスクも
同時に考えなければなりません。


例えば、
一人の突出したスタープレーヤーのおかげで
売上が倍増したとします。

しかも、人柄も良く非の打ち所がなく、
社内での人望もとても厚い人だったとします。

もしも、その人が将来
独立することになったらどうでしょうか。

その人についていく社員が現れ、
顧客も失い、
組織が瓦解する恐れがあります。

属人化した高い能力は、
実は諸刃の剣でもあるのです。


このリスクを回避し、
一人の優秀な人材に頼り切らない組織を
つくるための解決策は、
シンプルに言えば
「仕事を先につくる」ことです。


まずは組織図を描いて
役割分担を明確にし、
マニュアルや引継書を整備して、
ある程度
「誰がやっても成果が出る状態」
を徐々に構築していきます。


いわゆる仕事の見える化です。


優秀な人材に対しては、
早い段階で
「プレイヤーとしてだけでなく、
教育する側になってほしい」
というミッションを伝えます。


本人がひたすら売上を追うのではなく、
自身のノウハウを可視化させ、
後輩の指導育成にあたってもらう仕組みを
整えるのです。


たとえそのノウハウが
完璧に言語化できなくても、
見える化を進めることで
業務の標準化が進み、
組織全体の底上げに
つながります。


もしその人材が、
感覚で成果を出す
天性の天才である場合は
さらに工夫が必要です。


コツは、
その人自身に
マニュアルを“作らせない”ことです。


本人にとっては当たり前のことでも、
他人から見れば
重要なノウハウが詰まっていることが多いため、
本人に書かせると
重要なポイントが
抜け落ちてしまう可能性があります。


こうした場合は、
部下や新人を同行させ、
その人の一挙手一投足を
メモや写真、動画で
克明に記録させることが有効です。


記録する側が
専門的な内容を理解していなくても、
まずはありのままを拾い上げることが
属人化を解く第一歩となります。


優秀な人の離職を
完全に防ぐことは
難しいかもしれませんが、
自分の知見が組織の資産となり、
後進が育つことに
やりがいを感じてくれれば、
定着率も向上するでしょう。


たとえ将来、
大物が抜けることがあっても、
それをカバーできるだけの
仕組みが整っていれば
組織は揺らぎません。


特定の誰かに頼らない、
持続可能な組織づくりこそが
いま求められる経営の知恵なのです。



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