近所のオリンピックが、少しずつ変わってきているように感じます。
今年7月、運営するOlympicグループが、ドン・キホーテを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)の傘下に入りました。今後は立地に応じた業態転換も進める計画です。
そんな身近な変化を感じていたところ、今度はトイザらスのニュースが届きました。
PPIHは10月30日、トイザらス・ベビーザらスの国内154店舗を事業承継。グループの総店舗数は、国内外合わせて1,045店舗となりました。
2026年6月期の売上高は約2兆4,453億円、営業利益は約1,748億円。いずれも前期を上回り、成長を続けています。
ただ、注目したいのは、店舗数を増やす勢いだけではありません。
引き継いだ店を、どのように変えていくのかです。
11月5日、トイザらスでは、ひと足早いクリスマス企画「あわてんぼうのサンタクロース」が始まりました。
さらに、商品取り扱い数を3倍にすることを目標に掲げ、店舗面積の約10%を遊び場として活用する方針を打ち出しています。毎週のイベントも通じ、日常的に訪れたくなる場所を目指すとしています。
商品を並べられる場所を、あえて遊び場にする。
売り場の効率だけを考えれば、少しもったいなく見えるかもしれません。
ですが、おもちゃは、写真や対象年齢だけでは、子どもが本当に気に入るか分からないものです。
親が買おうと思っていた商品より、店頭で触れた別のおもちゃに夢中になる。そんな発見もあるでしょう。
ネットでは価格を比べられますが、目の前で遊ぶ子どもの反応までは、なかなか分かりません。
商品を並べる場所の一部を、親子で確かめ、一緒に選べる場所にする。
そこに、実店舗へ足を運ぶ理由が生まれます。
そして、PPIHにとっては、新しいお客様と出会う機会にもなります。
同社は、トイザらスと自社では強みとする顧客層が異なり、相互に補完できると説明しています。既存のアピタやMEGAドン・キホーテへのトイザらスの出店も構想されています。
トイザらスが培ってきた玩具の専門性や、ファミリー層との接点に、ドンキの商品調達力や売り場づくりを重ねる。
店舗網を広げると同時に、グループを利用するお客様の裾野も広げようとしているのでしょう。
ドンキといえば「安さ」が浮かびますが、PPIHが掲げる店舗コンセプトには、「便利さ」「安さ」とともに「楽しさ」があります。
安いから買う。
面白そうだから立ち寄る。
思いがけない商品に出会い、また来たくなる。
今回のトイザらスには、そんなドンキ流の商売を、親子で過ごす時間へと広げる狙いも感じます。
もちろん、店づくりの変化が売上や再来店につながるかは、これからです。
近所のオリンピックも含め、店が変わり、人の流れがどう変わるのか。しばらく注目してみたいと思います。
店舗を増やすだけでなく、その店に行きたくなる理由を増やす。
ドンキの勢いは、企業の買収件数だけでなく、私たちの休日の行き先にも表れてくるのかもしれません。