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深山 敏郎

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第75回 職場チームのレジリエンス(2)チーム目標の作り方

2022/11/22

前回は、「チーム目標の位置づけ」についてお話してきました。

今回は「チーム目標の作り方」というテーマでお話をします。

目標設定の鍵はSMART(スマート)コンセプト

目標設定は、個人でもチームでも以下のSMARTコンセプトが役に立ちます。
このコンセプトは、以下の5種類の内容を含みます。
つまり、良い目標の「要素」といえるでしょう。

S:Specific(具体的)
M:Measurable(測定可能)
A:Achievable(達成可能) 
R:Relevant(関連性がある)
T:Time-bound(期限が明確)

S:Specific(具体的)とは
ここでいう「具体的」とはどういうことでしょうか。
5W2Hあるいは5W3Hという言葉があります。
Why(なぜ/目的は)、What(何を)、Who(誰が/誰と)、Where(どこで)、When(いつ/いつまでに)、How(どのように/どのような方法で)、How much(いくらで/予算)、How many(数量)ということです。
この中で、できる限り多くの内容を明確にしておくということです。

M:Measurable(測定可能)とは
どのような目標も、達成したかどうかを判断できなければなりません。
どのような状態になったら目標に到達したといえるのでしょうか。
数値目標がある場合は、単純な数値(売上高〇〇百万円)といった場合と、比率(成約率〇〇%、営業のプロセスなどで、ステップアップ率〇〇%など)といった場合があります。

また、数値目標がない場合でも、例えば個人の場合には「一人で見積書の作成ができる」、「プレゼンテーションを一人で出来る」、「部下育成が出来る」などが挙げられます。
チームの場合には、例えば「チーム全員が工事の監督に必要な〇〇という資格を保持すること」といった目標もあります。
このように、個人でもチームでも目標が達成出来たかどうかを誰でも分かる必要があります。

A:Achievable(達成可能)とは
達成可能というと、前年度並みなどの目標値が出てきそうです。
しかし、チームとしての経験値も向上するでしょうし、機械設備やソフトウェアなどの「道具の進化」もあるでしょう。
一般的には、前年対比125%程度までは達成可能とすることが多いようです。
但し、画期的な方法が開発されるなどの支援があれば、場合によっては200%ということもあるでしょう。
あくまでも、経験値や仕事をする際の道具類の整備状況によって決めることが重要です。

R:Relevant(関連性がある)とは
一般的には上位目標と下位目標の整合性をいいます。
但し、例外的にヨコやナナメとの関係も重要です。
あるマネジャーが上位目標と下位目標を勘案して立てた目標が、実は他部署が立てた目標と同一であった、というケースがあります。
会社の中で一つの部署で実施すれば十分なことを複数部署でそれぞれに知らずにしていた、ということでは会社の経営資源の大きな無駄遣いといえるでしょう。

T:Time-bound(期限)とは
どのような仕事にも期限があります。
上司や会社によって決められた期限もあれば、実質的にこの時期に行わなければ意味がないというケースもあります。
例えば農作物の収穫作業などは一定の時期に限られます。
これは仕事には1年サイクルの中でも実施すべき時期があり、これを理解してあえて期限を自らのチームで示すことも必要です。

こうしたSMARTコンセプトは必須の内容です。
これに加えて、目標設定にふさわしいプロセスということもあります。

因みにSMARTに別の英語の単語を用いる場合もありますが要素としてはほぼ同じ領域をカバーしています。
 
次回はこのプロセス、特に「チーム目標と個人目標の関係」ということについてお話をしましょう。

レジリエンスの高い人の特徴を詳しく知りたい方は、拙著:「レジリエンス(折れない心)の具体的な高め方 個人・チーム・組織」(セルバ出版)などをご覧いただければ幸いです。

toshiro@miyamacg.com (筆者:深山 敏郎)
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