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高松 秀樹

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第14回:大企業としての在り方

2021/03/20

中小企業庁によると、日本には現在およそ400万以上の企業が存在するとのことですが、大企業は1.2万社程度で、全体のおよそ0.3%しか存在しないのです。

そんな大企業と呼ばれる会社に、JTBや毎日新聞社があります。この両社を含むいくつかの大企業が「資本金を1億に減資する」ことで、「税法上では中小企業の扱い」になり、中小だけが受けることのできる優遇制度の恩恵を受けようとしており、「大企業の税逃れだ」と、騒がれているのです。

かつて2015年にシャープはグループ全体の前期最終赤字が2200億以上に膨らみ停滞していた際、状況を打破しようと「減資を画策」しましたが、「ルールの抜け穴を突き、中小企業のための税制優遇を受けるのは卑怯だ!」と、社会はそれに異論を唱え、「企業再生の打ち手として違和感がある、、」と、時の経済産業大臣にも指摘され、批判が殺到したため、その計画は失敗に終わったのでした。

コロナ禍での旅行業界は深刻ともいえる大打撃を受けていることもあり、JTBからすると苦肉の策なのでしょうが、「GoToキャンペーン」で業界には1.5兆を超える税金が投入され、その優遇を受けた後、ということに批判が集中しているようなのです。

一方、毎日新聞社はと言うと、コロナ以前から不振や苦境続きであったことに加え、2019年の消費増税の際に「新聞社は社会の公器だ」との主張を重ね、軽減税率の対象になったことに加え、先のシャープ騒動の時には、「節税目的の減資だ!」と批判を浴びせた過去もあり、「今後、他企業や政治家などの税逃れ行為が起きた際、『公器』として批判できるのか?」とwebなどでも揶揄されているのです。

そんな中、セブン&アイ・ホールディングス会長や経団連副会長を歴任された鈴木さんは「ルールには反していないが、実態が大企業であるにも関わらず、税金を理由に看板だけ中小企業にするような経営は、許されることはない。『税逃れ』と言われても、仕方ない」とコメントされています。

今後、他にも「大企業としての在り方」を問われる会社が出てきそうですね。