2025年7月、「ソニーグループ」が「バンダイナムコホールディングス」に出資したというニュースが話題になっています。
保有比率は「1%未満」ながら、これは単なる資本参加ではなく、「仲間としての表明」に近いメッセージとして受け取ることができます。
「ソニー」といえば、かつては「家電や音響機器」のイメージが強かったですが、近年は完全に「総合エンタメ企業」へと舵を切っています。
「アニプレックス」や「ソニー・ミュージック、ソニー・ピクチャーズ」などのグループ力を活かし、映画・音楽・ゲーム・アニメの世界で存在感を高めています。昨年の「KADOKAWA」への出資も記憶に新しいですよね。
今回の「バンダイナムコ」への出資も、まさにその延長線上にあるのでしょう。「バンダイナムコ」が誇る「ガンダム」や「ドラゴンボール」といった強力な知的財産(IP)は、グローバルでも高いブランド力を持っており、これらのIPを、「ソニー」のゲームプラットフォームや映像制作ネットワークと掛け合わせることで、「クロスメディア展開」のスピードとスケールを一気に引き上げようという狙いかと。
一方、「バンダイナムコ」側にとっても、「ソニー」との連携は「販路の強化」や「海外展開の加速」といった大きな恩恵が見えます。
IPの開発力と、配信・販売のインフラを持つ巨大グループが手を組むことで、コンテンツの「磨き」と「届け方」の両輪が噛み合い、世界市場での競争力が増す。
エンタメ業界では「単体のコンテンツ力」だけで勝てる時代ではなくなっており、重要なのは、複数の事業を束ね、IPを多面的に育て、届ける「統合力」です。
ソニーは、クリエイター支援から制作、配信、体験までをつなぐ「総合プロデューサー」へと変貌を遂げようとしているのではないでしょうか。