第223回 「他責だ!」と他責する人への対応
2025/08/11
先日、私のクライアントさんから、少し震えた声で連絡がありました。
「他責だ!と責められたんです。」
「ん? 他責だと責められた?」しかもその相手は、銀行出身の資金調達専門家で、何億も動かすビジネスをしているコンサルの先生。
クライアントさんはお客さんの立場ですが、教わる側。
つまり、能力や知識では相手が上…という関係性です。
「他責だ!」攻撃、発動
クライアントさんは、ある場面で本当に普通の質問をしました。
すると、返ってきたのは…
「あまりのレベルの低さに驚愕した!」
「他責がすぎる!」
…え?
ただの質問が、なぜか「他責」に大変身。
まるでトマトにケチャップをかけただけで「これはいちごです!」と言われるくらい意味不明。
その正体は「支配ゲーム」
私は聞きながらすぐにピンときました。こういうパターンの人は、
・相手を自分の支配下に置きたい
・決めつけて罪悪感を引き出したい
という欲求を持っています。
「他責だ!」と断言すれば、相手は「私が悪いのかも…」と萎縮する。
その瞬間、立場は逆転し、相手は上、自分は下。
マウントを取るには、実に効率的な手口です。
(他責だ、以外もセリフは多岐に渡ります。今回はわかりやすい一例です。)
私はクライアントさんにこう助言しました。
「それ、受け取っちゃダメです。相手が差し出す『責める綱』は、スルッとかわしてください。」
もしその綱を受け取ってしまうと、延々と引っ張られ、気づけば泥沼。
でも受け取らなければ、見えてくるんです。
・ああ、この人はマウンティングしたいんだな
・プライドは高いけど、自尊心は低いんだな
・自分の世界だけが正しいと思っているんだな
クライアントさんはその後も「対話」を試みましたが、相手は一方通行。
「決めつけストーリー」を繰り返すだけ。そこで私からの最終アドバイスはシンプル。
「相手に理解されなくてもいい。今後関わらないと決めましょう。」
でも、もしそれが上司だったら?
これがもし上司だったら…正直、毎日がサバイバルです。
だからこそ、「自分を大切にする」ことを最優先に。
私が提案したのは、こんな“巻き込まれ防止策”です。
・いつも笑顔で接する(感情を読ませない)
・「どれだけ好かれるかゲーム」をやってみる(あくまで遊び感覚で)
・嫌な思いを最小限にする立ち居振る舞いを研究する
これは相手のためではなく100%自分のため。
相手を変えようとせず、自分の軸を守る。
最初は難しくても、少しずつコツがつかめます。
相手を変える必要はありません。
『責める綱』を受け取らないだけで、あなたは自由でいられます。
そしてその自由は、いつだってあなたの手の中にあるのです。
今日も、自分を守るためのニヤリと笑える一手を♪
もし、あなたが部下を責めるタイプだったら?
「他責だ!」などと責めてくる相手への対応について書きましたが、最後に、逆に「もし、相手を責めたくなる心理になった時は?」にも言及しましょう。
相手を責めるるとき、もしかしたら上記に書いたことは自分自身のことかもしれません。(もちろん、全く違う要因の場合もあります!)
相手を責めたくなる時は、
・自分の正しさを証明したい時
・自分の自尊心を満たしたい時
・承認欲求が強くなっている時
・自分が不安や恐れを感じている時
・自分の失敗や責任から目をそらしたい時
・自分の期待が裏切られた時
・自分がコントロールしたい時
いづれも、自分の問題です。
だから、責めたくなる時こそ、自分と向き合って成長できるチャンスかもしれません。
まずは、相手を責めていることに気づく!
ここが第一歩です。
そして、「責める目的」を考えてみましょう。
責めることで、何を得ようとしているのか?
それを考えられるようになれば、愛され、信頼されるチームを動かせる上司に成長できるはずです。
リーダーは、下の人が育ててくれる存在なのです。
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