国立競技場で行われた世界陸上。
世界中から陸上のトップアスリートが集結し、
スピード、持久力、跳躍力、投擲力。
これぞ世界一を争う熱い戦いを繰り広げ、大盛況の中幕を閉じました。
印象に残った競技や選手はたくさんありますが、
私が最も印象残ったのは、男子110メートルハードルの村竹ラシッド選手です。
110メートルハードルはトップスピードのまま、
高さ106.7センチのハードルを10台飛び越える競技。
素人では1台のハードルを飛び越えるのさえ怖さを感じる高さです。
実際にやってみると体感できると思いますが、飛び越えるだけでも必死です。
飛び越えたと思っても、その先の着地でバランスを保つのも大変ですし、
そこから次のハードルまでの距離は9.14メートル。
助走距離もどんどん短くなる印象を受けてしまいます。
それを10台も乗り越えていくのですから、すごいの一言です。
ハードル選手の走っている姿を見ていただくとわかると思いますが、
頭の高さがほぼ変わらず110メートルを駆け抜けていきます。
元に戻しますが、この種目において村竹ラシッド選手は23年大会の泉谷選手に次いで
史上2人目の決勝進出を果たしました。
メダルへの期待も大いに感じた決勝本番。
残念ながらメダルには届きませんでしたが、5位入賞という堂々たる成績を収めました。
しかし、競技終了後にインタビューゾーンに到着しマイクを向けられて言葉を発した瞬間、
その悔しさが見る見るうちに表情に現れ、
「何が足りなかったんだろう。。。何が間違ってたんだろう。。。」
と号泣し泣き崩れる姿が映し出されました。
インタビュアーの方が村竹選手の肩にそっと手を差し伸べながら、
「たくさんの人が勇気をもらいました。日本の宝です。」と述べられました。
メダルまで足りなかった時間は0.06秒。
この舞台にかける想いが強かったからこそ、心を打つインタビューだったと思います。
普段、あまり陸上競技を注力して見ていなかったのですが、
このインタビューで一気に村竹選手のファンになりました。
心から応援したい、次の大きな舞台で必ずメダルを取って欲しいと思えました。
純粋に競技に向き合う姿、直向きに努力する姿、全力を尽くす姿。
応援したくなる人には共通点があると思います。
スポーツの世界だけでなく、ビジネスの世界においても応援したくなる人はいます。
村竹選手の姿を見て、応援していただけるような、
そんな人間性を身につけていきたいと改めて感じた瞬間でした。