2026年2月、東洋経済オンラインは「G-SHOCKが10分の1サイズに」と報じました。
成熟市場といわれる時計業界に、思わぬ角度から風穴が開いたという評価です。
「カシオ計算機」が打ち出した“指につけるG-SHOCK”、いわゆるリングウォッチが静かな熱狂を生んでいます。
「腕につけるもの」という前提を崩す発想は、単なる新製品投入ではありません。
腕時計市場は長らく、高級化かスマート化かという二極で語られてきました。
その中で同社は「装着部位」という根本を問い直しました。
G-SHOCKの耐衝撃思想を保ちながらサイズを約10分の1に縮小する試みは、技術的挑戦であると同時にブランドの再解釈でもあります。
専門誌による長期レビューに加え、SNSでもデザイン性への評価が広がっています。
評価軸はもはや機能だけではありません。
リング型は実用品であると同時に、ファッション性や遊び心を帯びます。
時計を「時間を知る道具」から「自己表現のデバイス」へと拡張する戦略が透けて見えます。
成熟市場におけるイノベーションとは、巨大な技術革新よりも前提のずらしです。
指につけるG-SHOCKは、市場を奪うのではなく、文脈を広げる一手といえるのではないでしょうか