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益田 和久

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第129回 リモートボランティア

2023/08/24

リモートでのボランティア活動が広がっているそうです。
移動や交通費の負担がなく自宅から気軽に参加できるのが特徴です。
記事を読み込むまでピンときませんでしたが、確かにあらゆる分野でデジタルやオンラインが活用されているので、出てきても不思議ではないよなと思いながら記事を読んでいました。

某ボランティア団体では、コロナ禍の2020年からリモートで参加するプログラムを複数開始しました。
その一つにジャカルタに翻訳した絵本を届ける国際協力プログラムがあります。
オンラインでの事前説明会に参加し、参加費2000円を振り込むと絵本と翻訳シールが自宅に届きます。
インドネシア語に訳されたシールを絵本の日本語の上に貼って返送すると、ジャカルタの子どもたちに贈られるというもの。
参加費には国際郵便費の一部なども含まれます。
極めてシンプルですね。

コロナ禍が落ち着いた今年の夏は対面ボランティアも再開したようですが、リモートの反響が予想以上に大きかったようで、今回は20種類以上のプログラムをラインナップしたそうです。
当該団体の方々も「すきま時間を活用しながら在宅で参加でき、渡航費をかけずに少額で国際支援ができるので人気が高い」と手応えを感じているようです。

変わったところでは、自宅で動画を見るというプログラムもありました。
「これでボランティアになるのか」と一瞬思いますが理屈は通っています。
例えば環境保全活動に取り組む団体が配信する「ごみ問題」を解説した無料動画を視聴してアンケートなどに答えるというものがあります。
団体側は活動内容を知ってもらえると同時に、参加者の意見をもとに活動を今後の改善に活かすことができますので、結果として社会貢献につながることになるわけです。
手作りのうちわや暑中見舞いなどを作って高齢者施設に送る、オンライン上で特技を披露する等、非対面の交流を楽しむプログラムも増えてきているようです。
ボランティアに参加した人からは「仕事が終わった後に自宅から気軽に参加できる」「(居住地の)北海道から興味深い活動をしている東京の団体の活動に参加できる」といった感想も寄せられ、リモート・オンラインの強みが活かされています。
他にもWeb会議ツールを使っての子どもの学習支援や、パソコンのチャット機能・無料通話アプリを使った悩み相談支援等、内容は多岐にわたります。
現地に出向かなくても社会貢献できる環境が広がり、新しいボランティアのスタイルとして定着しつつあります。
日本最大級のボランティア情報サイトの発表によると、2022年のオンラインボランティアの募集数はコロナ禍前の2019年に比べ約25倍に増えたそうです。


個人的に面白いと思ったのは「オンラインごみ拾い」です。
全国各地に集まった参加者が同時にごみ拾いをし、拾ったごみの写真などをSNS(交流サイト)で共有し拾ったゴミの量を競うというもの。ゲーム感覚で参加できるのが人気のようです。
希望者は活動に参加したことを示す証明書ももらえるので就活中の学生さんも参加が多いようです。
また現実的だと思ったのが「プロボノ」。
プロボノとは仕事で得た専門知識やスキルを提供するものです。
オンラインでのボランティアであれば、平日は仕事で忙しく時間に制約のある会社員でも参加しやすいですね。
プロボノに参加した人からは「学びや社会課題への気づき、喜ばれるうれしさなど精神的な報酬がある」といった声が多いようです。

今回改めて思ったのは、社会貢献をしたいというニーズが思ったよりあること。
何か社会に貢献したいけど町内会のゴミ拾いは近所づきあいが面倒だし、被災地支援も出向いていくのは物心ともに負担が大きいので、二の足を踏んでいるという話は私も周りにも結構居ます。
そんな方にはまさにおすすめのリモートボランティア。
オンラインをうまく活用すれば、負担も少なく社会活動の場を広げられます。
私も何か参画できるものがないか、ちょっと探してみようかなと思った今日この頃です。